ここでは、私が3級を受講してから1級を取得するまでの実際の流れやスケジュールを、経験談も踏まえて書いていきます。
いざ「コーヒーインストラクター検定」を取得しようと意気込んでみても、いつ頃から勉強を始めれば良いのか、そもそもどうやって学習していけば良いのかなど、具体的な道筋がイメージしずらいかと思います。
というのも、本検定は簿記やFPなどのメジャーな検定とは違い、受験者数がとても多いというわけでもなく受験される対象者の範囲が限られている影響か、ネットなどに公開されている情報が非常に少ないです。
あくまでも私自信の経験をなるべく詳細に記載していますので、参考にしていただければ幸いです。
私が「コーヒーインストラクター検定」を取得した一連のスケジュールについて、以下の通りとなります。
- 2023年8月24日 コーヒーインストラクター3級 講習会(オンライン)→参加認定
- 2023年11月5日 コーヒーインストラクター2級 事前講習会(神戸会場)
- 2023年12月9日 コーヒーインストラクター2級 試験(神戸会場)→合格
- 2024年5月25〜26日 コーヒーインストラクター1級 事前講習会(神戸会場)
- 2024年7月6日 コーヒーインストラクター1級 試験(神戸会場)→筆記合格・実技不合格
- 2024年10月27日 コーヒーインストラクター1級 再試験(神戸会場)→実技合格(1級合格✌️)
まず、3級は誰でも取得することができ、試験がなく講習会(主にオンライン)に参加する事で認定されます。
2級に関しても制限はなく、3級を持っていなくても誰でも受験が可能です。
ただ、1級については、2級を取得していることが受験の条件になります。
私の場合、3級受講から間髪入れずに1級受験までこなしたので、追試を含めて大体1年ちょっとで1級まで取得したことになります。
スケジュール感について、具体的に見ていきましょう。
コーヒーインストラクター3級
そんなに説明することはないです(笑)
2級を受験するための必修というわけでもなく、コーヒーを楽しむための入門編という位置付けで試験がないので、もし受験を迷っている方や興味がある方がいれば、まずは気楽に楽しく講義を受けてみてくはいかがでしょうか。
開催時期という概念がなく、協会から委託された企業がそれぞれのタイミングで講習会を開催するという形をとっていますので、もし気になったらJ.C.Q.Aのホームページから調べてみてください。
私の場合、受験を思い立った頃にたまたま京都の小川珈琲さんが3級講習会の告知をしていたため、とりあえず受けてみるかという軽い気持ちで申し込みをして、オンラインで講義を受けました。
コーヒーインストラクター2級
そもそも当初「コーヒーインストラクター検定」取得に対する目標はなかったのですが、3級講習会の中で2級の概要説明やアナウンスがあったこともあり、とりあえず2級を頑張ってみようと思い、ちょうど秋開催(2級は春秋の年2回開催)の申し込みが始まっていたので、すぐに申し込みと教本を購入しました。
余談ですが、教本は絶対必要です。
というか、勉強するための材料が教本しかないので(1冊の教本に2級・1級・鑑定士の内容が網羅されています)、人から貰って買う必要がない以外は、ケチらないで申込時に絶対買ってください!
ということで、10月になって購入した教本が届き、併せて事前講習会や試験の日程等の案内がありました。
教本が届いてからは、まず教本の内容を一度パラ〜っと目を通してみました。
教本における2級の範囲はそんなに広くなく(30p+αくらい)、ちょっとコーヒー通な人であればなんとなく理解はできる内容でした。
とはいえ、試験や事前講習会について全く情報がなかったので、どうやって対策していいのかも分からず…
とりあえず、事前講習会の1週間前くらいから、教本の2級の範囲をそのままノートに写してみました。ちなみに、写し書きは1週間(1日1時間くらいかな)あれば十分なボリュームです。
11月に入って事前講習会に参加しましたが、講習会は座学で、主に教本の内容と教本に記載のない補足の説明になります。
私としては事前にノートの写し書きをしたことで内容の理解が容易になりましたが、特に予習をしなくても講習会の説明をしっかり聴けば理解できるかと思います。
講習会の中で、試験の出題範囲は主に教本の内容と講師の補足説明からの出題(選択式)になるというアナウンスがあったので、そこから試験までの1ヶ月間は、ひたすら教本の内容を覚える作業でした。
具体的な学習方法は別項で詳しく書いていきますが、試験までの1ヶ月間で集中して学習すれば十分合格できるレベルだと考えます。
なお、2級の試験は選択式であり、そこまでイジワルな問題はなかった印象です。運転免許の学科試験みたいなイヤらしい言い回しや、応用と理解力を求めるような出題はほとんどなかったと思います。覚えた分だけちゃんと点数に反映された感じでしょうか。
合格基準は70点以上、直近の合格率も91%と非常に高いので、あまり気負わずにコーヒーの知識が身につく楽しさを感じながら勉強をしてみてください。
これはあくまで私の経験談ですので、実際に受験される方は自分のペースに合わせて余裕を持った学習スケジュールを立ててみてくださいね。
コーヒーインストラクター1級
さて、2級が無事に合格したところで、せっかくだしここまできたら1級にも挑戦してみようと思い立ちました。
今思えば、1級の平均合格率が20%未満の高難易度と分かっていたにも関わらず、よく挑戦したなと。
申込み時はあまり深く考えていませんでしたが、2級を受験したことでさらにもっとコーヒーのことを理解したくなり、2級合格の勢いで1級試験に申し込みました。
結果的に受かったので良しとしますが、完全にノリと勢いでしたね(笑)1級は2級よりもさらに受験料がかかることもあり、申し込んだ手前しっかり勉強して取得しないといけないと自分を追い込んだこともやる気を後押ししたのかもしれません。
さて、勉強に取り組もうと2級受験時に購入した教本の中身(1級の内容も含まれています)パラパラーっと覗いてみましたが、これは一筋縄ではいかないなとすぐに察知しました。
なので、1級は年1回の試験で7月初旬が試験日なのに対し、かなり余裕を持って4月初めには勉強を開始していました。
といっても、相変わらずこの検定はどう勉強していいのか分からないため、まずは2級と同じく教本の内容をノートにそのまま写す作業をして、内容や用語を漠然とでも慣れておくことにしました。
2級の学習時は教本の内容を覗くだけで大体は理解できましたが、1級はそうはいかず…
コーヒー豆の品種、生豆の成分・焙煎による変化、栽培から流通までのプロセス、保存、包装 などなど、ただのコーヒー好きでは到底太刀打ちできない内容だったので、最初は理解に苦しみました。
とはいえ、1級も結局は暗記勝負(2級は選択式だったが1級は記述式になるという超絶難易度アップもありますが、それは一旦おいといて)。写し書きやテキストを繰り返し見ることで、完全に理解はできなくとも用語に対する抵抗感は少しずつ無くなっていきました。
写し書き自体の作業は、大体1ヶ月近くかかったと記憶しています。当然これだけで覚えられたわけではないので、そこから事前講習会までの半月程はひたすら覚える作業を繰り返していました。
なお、今まで書いてきたことは全て筆記試験の学習についてです。
1級は筆記と実技で2分野あり、それぞれで80点以上を取らないと合格にはなりません(不合格した分野は秋に一度だけ再試験のチャンスが与えられます)。
当時はとにかく筆記試験がやばいと思っていたため(今思えば実技もやばかった笑)、実技試験は事前講習会でしっかり学べばいいかと軽く考えていました。
その後、5月末に開催された事前講習会に参加してきました。2級と違って2日間(1日目は筆記の座学、2日目は実技)に渡りガッツリと学習をします。
相変わらず眠くなるような時間でしたが、今回も2級の時と同じく、事前に学習していたおかげで講義の内容はある程度理解できました。
2日目の実技について。事前学習は一切しなかったものの、カッピングの方法、産地、焙煎度、粒度などによる味の違い、焙煎豆の外観識別などをしっかり学ぶことができたので、その日の学習で十分学べる内容でした。なので、実技に関しては予習は不要かなと。不安な方はぜひ事前学習を。
事前講習会が終わってから本試験までの1ヶ月間は、とにかく暗記暗記暗記。
ただ、インプットするだけでは覚えた実感がないので、自分で独自に穴埋め問題を作成したり、ネットから過去問を拾ってきてエクセルにまとめて問題集を作成したりと、できることはなんでもしてインプットとアウトプットを繰り返していきました。
何より、1級の筆記問題は選択式ではなく記述式。しかも誤字脱字や漢字間違いも減点対象とのことで、とにかく自分の字でノートに書いて書いて書きまくりました。
詳細な学習方法はまた別項で書きますが、思いつく限りやれることは全部やった感じですね。
余談ですが、どれだけ勉強しても不安を払拭することはできなかったので、試験直前の数日間は若干ノイローゼ状態でした(笑)
ただ、これもまた筆記試験の勉強の話。
実技試験については全然勉強していませんでした。事前講義で分かった気になっていたため、完全に舐めていました。これが1番の後悔。
実技もやはり数をこなして味や外観を覚えるしかないのですが、これもまた別項で詳しく書きたいと思います。
そして、7月に入り、不安はありつつも「自分を追い込むくらい勉強したのだからきっと大丈夫」という漠然とした自信の双方を抱えて、試験の日を迎えたのです。
結果、筆記試験は90点で合格できたものの、実技は40点と酷い有様…
本当は両方とも1発で合格したかったのですが、実際のところ合格率は約15%と超難関。やはり高い壁でした…
とはいえ、筆記試験は勉強に全精力を注いだおかげでしっかり得点に結びついたので、片方だけでも合格できただけ良かったのだと、10月末の再試験に向けて早々に気持ちを切り替えたのでした。
しばらくは勉強を休み、9月中旬頃から少しずつ実技の再試験に向けた勉強を始めました。
なお、本試験のときはケチって実技試験対策用の標本を購入しなかったのですが(事前講習会後に使用した標本を持ち帰ることができるため)、当時持ち帰った標本は鮮度が落ちて風味が弱く参考にならないので、もうお金には変えられないと思い、再試験に向けて申込時に標本を購入しました。
仕事の日は空き時間に豆の外観を見まくって、休日などで時間があるときはカッピングをして、再試験に向けて勉強を重ねていきました、なんでこれを本試験前にしなかったのだと後悔しながらも、もう後はないと本気で取り組みました。
とはいえ、筆記試験のように暗記をするわけでもなく、実技の1科目のみで、しかも一度受験して試験の概要や雰囲気は把握しているので、不安ではありましたがそこまで切羽詰まることはなく、だいぶ気楽でいられたような気がします。
結果、10月末の再試験では85点を獲得。実技試験に無事合格し、晴れて1級を取得することができました。
もちろん1回の試験で筆記と実技を両方合格できれば一番良いのですが、私の場合、結果的に再試験込みで筆記と実技の学習時期を分散できたおかげで、効率よく学習ができてストレスも少なく済んだのかなと思っています。
ただでさえ受験料や教材費が高額で、再試験となるとさらに負担が重なってしまいますが、落ちても再試験があるしと割り切って、1年かけてじっくり学習して合格していくという流れも十分アリなのかなと。
なお、再試験まで不合格してしまうと、片方がすでに合格していてもリセットされて、再度申し込みをして筆記・実技ともに1からやり直しになるのでご注意を。
1級で合格率も低いという点でかなり怯みがちになってしまいますが、頭がいい悪い関係なく(実際私がそこまで頭がいいほうじゃないので…)、しっかり数と時間を重ねて学習をすれば必ず点数につながる試験内容ですので、自分を信じて頑張ってみてください。
頑張るあなたを、応援しています。
〜fin〜