3-④(3) エスプレッソ

エスプレッソとは、コーヒー粉に高い圧力をかけることで短時間で高濃度の液体を抽出する方法または抽出液そのもののことを言います

近年、コンビニやスーパーなどでエスプレッソと書かれたコーヒー商品が多いことで、エスプレッソ=苦い目のコーヒーという誤解が世間に浸透してしまっているように思いますが、実際のエスプレッソはデミタスカップ(少量サイズのカップ)に注がれるくらいの少量かつ高濃度の飲料になります。

エスプレッソ発祥のイタリアではエスプレッソに砂糖をたっぷりいれて飲み干すというのが一般的であったり、日本でいえばカフェラテやカプチーノなどで多く消費されています。

エスプレッソ抽出の方法として、主に家庭用のモカポットと専用のエスプレッソマシンがありますが、それぞれ抽出の機構(仕組み)は全く異なっています。

モカポットは共通して、専用のポットにコーヒー粉と水をセットして火にかけることで徐々に水蒸気が発生してコーヒー粉に圧力をかけて抽出するという仕組みになっています。日本では主にアウトドア用で見かけますが、イタリアなどでは家庭用に広く普及しているようです。

分類としてはエスプレッソになるのですが、多少圧力が大きい(最大1.5気圧程度)だけで原理的には他の抽出方法と本質的な違いはなく、多くのものは単なる高温長時間の抽出に過ぎません。

一方、エスプレッソマシンは高温高圧(9気圧)により成分を瞬間的強制的に抽出するという点が特徴で、高温かつ高圧のお湯が粉に瞬間的に浸透するため、短時間で十分な濃さの抽出液が得られます。

エスプレッソ抽出は特殊な抽出方法とフィルターの目の粗さが特有の性質を与え、抽出した際の液面を覆うクレマという泡が口当たりや香りの保持に寄与していると言われています。

また、エスプレッソには脂質(液面の油脂)や多糖類が多く含まれ、それがコロイド(微小な液滴)状に分散していることも、口当たりやフレーバー(風味)に寄与していると言われています。


特に試験においては、エスプレッソ抽出の特徴やモカポットとエスプレッソマシンの違いを理解して覚えるようにしましょう。

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